東大SPH過去問 解答集

東京大学のSPH、公共健康医学専攻の入試問題の解答です。
入試に関するビッグデータが東大SPHを目指す貴方へ、というブログに集まっているのでそちらをメインにご参照ください。

その著名なサイトはこちら。
論述式に一部解答がないものがありましたので、その補完版としてこちらにおいて置きます。
もちろん解答には誤った記載もあるかと思いますので参考程度にお願いします。
間違いなどあればツイッターでご指摘頂けますと幸いです。

2010年 記述式

(4)

1)ソーシャルサポートは、以下の4つの主要なタイプに分類できます。

  • 情緒的サポート: 直接的な愛情表現、理解や同情などの感情的な援助を提供する行動や行為を含む。親しい友人や家族からの慰めや励ましも含まれます。
  • 道具的サポート: 物質的な援助や具体的な行動を通じて援助を提供する行動や行為を含む。これは、財務的な援助や、物資の提供、家事労働などが含まれます。
  • 情報的サポート: アドバイスや情報の提供を通じて援助を提供する行動や行為を含む。これは、具体的な情報の提供や有用なリソースへの導入、問題解決のためのアドバイスなどが含まれます。
  • 評価的サポート: 当事者の行動が、良いか悪いか、社会的に好ましいか好ましくないかなど、適切な評価を与えるサポート。

その他にも、交友的サポートや社会的統合(共有の社会活動や関係性を通じて援助を提供する行動や行為を含む。これは、社会活動への参加を促すことや、共有の趣味や関心を介しての繋がりの強化など)などの分類もあります。上の4つはハウスの分類と言われる最も有名なものです

2)評価研究における総括的研究と形成的研究の違いについて:

  • 総括的評価(Summative Evaluation): 総括的評価は、プログラムや事業の全体的な効果や成果を評価するのが主目的です。これはプログラムの終了後に行われ、その成果を総括的に評価するためのものです。その結果は、そのプログラムや事業の価値、効果、持続可能性などを判断するための重要な情報を提供します。
  • 形成的評価(Formative Evaluation): 形成的評価は、プログラムや事業が進行中の段階で行われ、その過程や進行中の成果を評価します。この目的は、プログラムや事業の改善や改良のために必要な情報を提供することで、形成的評価は進行中のフィードバックと改良のための提案を提供します。

5

1)仕事と仕事外における役割の関係についての2つの仮説について説明します。

(a) 流出仮説(Spillover Hypothesis): 流出仮説は、ある領域(例えば、仕事)での経験が他の領域(例えば、家庭)へと「流れ出る」という考え方です。具体的には、仕事でストレスが多ければ、それが家庭生活にも影響を及ぼすという考え方です。例えば、仕事での長時間労働や過度のストレスが家庭生活や趣味の時間を侵食し、個人のストレスが増大するというケースがこれに該当します。

(a) Spillover Hypothesis: The Spillover Hypothesis suggests that experiences in one domain (e.g., work) ‘spill over’ into another domain (e.g., home). This means that high stress levels at work, for instance, would influence your experience at home. A common example might be someone who works long hours or experiences high stress at work, resulting in less time and energy for home life or leisure activities, thereby increasing their overall stress levels.

(b) 補償仮説(Compensation Hypothesis): 補償仮説は、ある領域(例えば、仕事)で得られなかったものを他の領域(例えば、家庭)で補おうとする考え方です。例えば、仕事で自己実現を達成できない場合、趣味や家庭生活で自己実現を追求するというケースが考えられます。

(b) Compensation Hypothesis: The Compensation Hypothesis suggests that what is missing in one domain (e.g., work) might be compensated for in another domain (e.g., home). For example, if someone does not find fulfillment at work, they might seek it through their hobbies or home life.

2)国としてワークライフバランス対策を推進することに対する賛成意見、反対意見について説明します。

賛成意見:ワークライフバランス対策は、従業員の満足度を高め、生産性を向上させるとともに、家庭と仕事の間でのストレスを軽減することができます。また、女性や介護を必要とする家族を持つ人々が職場で成功するための機会を増やすことができます。

Supporting Argument: Promoting work-life balance initiatives at a national level can lead to greater employee satisfaction and improved productivity, as well as reducing the stress of balancing work and home responsibilities. It also can create more opportunities for women and those with caregiving responsibilities to succeed in the workplace.

反対意見:一方で、国がワークライフバランス対策を推進することは、企業に余計なコストをかける可能性があります。また、すべての従業員が均等にベネフィットを享受するわけではないため、公平性に問題が生じることもあります。

Opposing Argument: On the other hand, national promotion of work-life balance initiatives may impose additional costs on businesses. Also, not all employees benefit equally from these initiatives, which may raise issues of fairness.

(6)

1)仕事と仕事外における役割の関係についての2つの仮説について説明します。

(a) 流出仮説(Spillover Hypothesis): 流出仮説は、ある領域(例えば、仕事)での経験が他の領域(例えば、家庭)へと「流れ出る」という考え方です。具体的には、仕事でストレスが多ければ、それが家庭生活にも影響を及ぼすという考え方です。例えば、仕事での長時間労働や過度のストレスが家庭生活や趣味の時間を侵食し、個人のストレスが増大するというケースがこれに該当します。

(a) Spillover Hypothesis: The Spillover Hypothesis suggests that experiences in one domain (e.g., work) ‘spill over’ into another domain (e.g., home). This means that high stress levels at work, for instance, would influence your experience at home. A common example might be someone who works long hours or experiences high stress at work, resulting in less time and energy for home life or leisure activities, thereby increasing their overall stress levels.

(b) 補償仮説(Compensation Hypothesis): 補償仮説は、ある領域(例えば、仕事)で得られなかったものを他の領域(例えば、家庭)で補おうとする考え方です。例えば、仕事で自己実現を達成できない場合、趣味や家庭生活で自己実現を追求するというケースが考えられます。

(b) Compensation Hypothesis: The Compensation Hypothesis suggests that what is missing in one domain (e.g., work) might be compensated for in another domain (e.g., home). For example, if someone does not find fulfillment at work, they might seek it through their hobbies or home life.

2)国としてワークライフバランス対策を推進することに対する賛成意見、反対意見について説明します。

賛成意見:ワークライフバランス対策は、従業員の満足度を高め、生産性を向上させるとともに、家庭と仕事の間でのストレスを軽減することができます。また、女性や介護を必要とする家族を持つ人々が職場で成功するための機会を増やすことができます。

Supporting Argument: Promoting work-life balance initiatives at a national level can lead to greater employee satisfaction and improved productivity, as well as reducing the stress of balancing work and home responsibilities. It also can create more opportunities for women and those with caregiving responsibilities to succeed in the workplace.

反対意見:一方で、国がワークライフバランス対策を推進することは、企業に余計なコストをかける可能性があります。また、すべての従業員が均等にベネフィットを享受するわけではないため、公平性に問題が生じることもあります。

Opposing Argument: On the other hand, national promotion of work-life balance initiatives may impose additional costs on businesses. Also, not all employees benefit equally from these initiatives, which may raise issues of fairness.

(7)

1.生命維持治療の差し控えと中止(Withholding and withdrawing life-sustaining treatment) これは、病状が末期であるなど、生命維持治療が患者の福祉を向上させないと判断された場合に、その治療を開始しない(差し控える)または終了する(中止する)ことを指します。これは患者の尊厳を尊重し、無益な苦痛を避けるために重要です。

  1. Withholding and withdrawing life-sustaining treatment This refers to the decision not to initiate (withhold) or to stop (withdraw) life-sustaining treatment when it is judged that the treatment will not improve the patient’s welfare, such as in terminal conditions. It’s important in respecting the patient’s dignity and avoiding unnecessary suffering.

2.ケアの倫理(Ethics of care) ケアの倫理は、医療の文脈での対人関係の重要性を強調する倫理的アプローチです。この観点では、共感、配慮、関心、責任などが特に重視されます。

  1. Ethics of care The ethics of care is an ethical approach that emphasizes the importance of interpersonal relationships in the context of healthcare. This perspective particularly values empathy, consideration, interest, and responsibility.

余談ですが、ケアの倫理は、ケアという社会的な位置づけがジェンダーによる不平等分配されているのではないかという点での議論から始まっているそうです

3.着床前診断(Pre-implantation genetic diagnosis) 着床前診断は、体外受精によって作られた受精卵が特定の遺伝的疾患を持っていないことを確認するための手法です。これには、遺伝的疾患のリスクを減らすという利点がありますが、遺伝子選択や潜在的な差別の問題も含まれます。

  1. Pre-implantation genetic diagnosis Pre-implantation genetic diagnosis is a method used to ensure that an embryo created via in-vitro fertilization does not carry certain genetic diseases. While this offers the benefit of reducing the risk of genetic diseases, it also includes issues of genetic selection and potential discrimination.

4.正義(公正)原則(Principle of justice) 正義原則は、医療の文脈での公平な資源の配分や、すべての患者に対する公平な治療を要求する倫理的原則です。

しばしばケアの倫理と対比して考えられる原則です。

  1. Principle of justice The principle of justice is an ethical principle that demands fair distribution of resources and equal treatment of all patients in the context of healthcare.

(9)

1.質問紙調査におけるプリテスト(Pretesting in questionnaire surveys)

プリテストは、本番の調査前に質問紙の設計や内容をテストするプロセスです。これにより、問題点を特定し、質問紙を改善することができます。

  1. Pretesting in questionnaire surveys Pretesting is the process of testing the design and content of a questionnaire before the actual survey. It helps to identify issues and improve the questionnaire.

2.尺度翻訳におけるバックトランスレーション(Back translation in scale translation)

バックトランスレーションは、翻訳品質を確認するために使用されるプロセスで、元の言語に再翻訳されます。これにより、翻訳の精度を評価し、必要な修正を行うことができます。

尺度翻訳についてはこちらのPDFによくまとまっています。
尺度を輸入するときにバックトランスレーションした方がいいよーという文脈でしょうか。

  1. Back translation in scale translation Back translation is a process used to check the quality of translation, where it is retranslated back into the original language. It allows the assessment of the accuracy of translation and the making of necessary revisions.

3.質問紙調査におけるキャリーオーバー効果(Carryover effects in questionnaire surveys) キャリーオーバー効果は、ある質問の回答が次の質問の回答に影響を与える現象を指します。これは調査の信頼性と妥当性に影響を及ぼす可能性があります。

  1. Carryover effects in questionnaire surveys Carryover effects refer to the phenomenon where the response to one question influences the response to the next question. This can potentially impact the reliability and validity of the survey.

4.半構造化面接(Semi-structured interview) 半構造化面接は、インタビューワーが一連の事前定義された質問を持つが、質問の順序や詳細な答えを探るための追加質問を自由に設定できる面接形式です。

  1. Semi-structured interview A semi-structured interview is an interview format in which the interviewer has a set of predefined questions, but is free to adjust the order of questions and ask additional questions to probe for detailed answers.

5.出版バイアス(Publication bias) 出版バイアスは、特定の結果(通常は統計的に有意な結果)を持つ研究が、それ以外の結果を持つ研究よりも出版されやすいという偏りを指します。

  1. Publication bias Publication bias refers to the bias where studies with certain results (typically statistically significant results) are more likely to be published than studies with other results.

2011年 記述式

(6)

  1. 治験における電子データ収集:これはデジタル技術を活用して治験のデータを収集、管理することで、紙ベースの方法と比べてデータの品質向上、データの取り扱いの効率化、リアルタイムのモニタリングといった利点があります
  2. PACS (Picture Archiving and Communication System)とは、医療用画像データを電子的に保存、管理、配信するためのシステムで、異なる機器や場所からの医療画像のアクセスを可能にし、効率的な診断や治療に寄与します
  3. EHR (Electronic Health Record)は、患者の健康情報をデジタルフォーマットで一元管理するシステムで、生涯を通じた包括的な医療情報の提供、適切なケアの提供、効率的なヘルスケアの運用を支えます
  4. ICD-10 (International Classification of Diseases, 10th Revision)は、WHOが策定した疾病や健康問題の国際的な分類コードで、標準化されたコードにより、統計データの収集、比較、分析が容易になります
  5. 臨床データベースのデータマイニングは、大量の臨床データから有用なパターンや知識を抽出するプロセスで、これにより新たな臨床的洞察の獲得、疾病予防、診断、治療の改善に寄与します

(7)

  1. DNR (Do Not Resuscitate)は、心肺停止時に蘇生措置を行わないという医療判断で、患者の尊厳と意志、生命の質の尊重に関連します
  2. トリアージは、医療資源が限られた状況で患者を優先順位に応じて分類する方法で、公正な医療資源の配分と生命救助の最大化に関連します
  3. 再生医療は、組織や臓器の修復、置換を可能にする先端医療技術で、倫理的な観点からは、それが提供する希望と期待と潜在的なリスクや不確実性のバランスが重要です
  4. 渡航移植は、移植を求めて他国に渡航する行為で、移植医療の公正なアクセス、利益とリスクのバランス、患者の権利と責任に関連します

(8)

医療関係者:疾病の原因や進行を理解し、より良い診断・治療を可能にする
医学生:身体の構造や機能を学び、臨床能力の向上に貢献する
遺族:死因の確認や疾病の遺伝的リスクを理解し、クロージャー(心の平穏)を得る
法律家:死因や法医学的な証拠を確認し、法的な問題の解決に役立てる
行政機関:公衆衛生統計を収集し、政策立案や健康戦略の策定に利用する
捜査機関:事件の原因や犯罪の証拠を探し、法的な捜査を支援する

2012年 キーワード・記述式

16. パーソンズの病人役割(sick role)
社会学者タルコット・パーソンズによって提唱された概念で、病気が個人に与える社会的な役割と期待に関連しています。役割理論の一部として、病人役割は社会的なシステムの中での病気の位置づけを説明します。

パーソンズの病人役割には、以下の4つの主要な側面があります。

  1. 免責(Exemption from Normal Social Roles): 病人は通常の社会的責任や役割から一時的に免除されます。たとえば、仕事や学校などの日常的な責任から解放されることがあります。
  2. 非責任(Not Responsible for Their Condition): 病人は自身の病気に対して責任を負わないとされます。ただし、これは病気が自己課せられたものでない場合に限ります。
  3. 健康の回復への努力(Seeking Technical Help): 病人は専門的な医療の助けを求め、指示に従うことが期待されます。医師や他の医療専門家の指示に従うことで、回復への努力が認められます。
  4. 病気は望ましくない(Sickness Is Undesirable): 病気は望ましくない状態とされ、病人はできるだけ早く健康を取り戻すよう努めるべきとされます。

パーソンズの病人役割は、病気が個人だけでなく社会全体に与える影響を理解するための重要なフレームワークを提供します。しかし、この概念には批判もあります。特に、すべての文化や社会が同じように病気に対して反応するわけではないため、一般化が困難であるという点が挙げられます。また、慢性疾患や精神障害など、特定の疾患に対してこのモデルが適用できない場合もあるとされています。

43. アメリカ式DRGと日本式DPCの違い

48.機械学習アルゴリズムの中から知識ベースのプロダクションルールに最も応用しやすいもの

  1. Neural Net (ニューラルネットワーク): ニューラルネットワークは、人間の脳の動作を模倣した機械学習の一形態です。多層のノード(ニューロン)が相互に接続されており、入力から出力への信号の流れを通じて学習と予測を行います。
  2. Decision Tree (決定木): 決定木は、分類や回帰のタスクに使用される階層的なモデルです。木構造を持ち、各内部ノードが特徴に基づくテスト、各枝がテストの結果、各葉ノードがクラスラベルまたは値を表します。
  3. K-means: K-meansは、クラスタリングのための非階層的な手法で、データをK個のクラスタに分割します。各クラスタの中心を計算し、データポイントを最も近い中心に割り当てるプロセスを繰り返します。
  4. Naive Bayes (ナイーブベイズ): ナイーブベイズは、ベイズの定理に基づく確率的な分類器で、特徴間の独立性を仮定しています。この仮定により、各特徴がクラスに与える影響を個別に計算し、組み合わせることができます。
  5. Support Vector Machine (SVM): SVMは、分類または回帰のための教師あり学習モデルで、データポイントを最適に分割する超平面を見つけることを目的としています。マージン最大化の原則に基づいて、クラス間の境界を最適化します。

知識ベースのプロダクションルールに最も応用しやすいものとしては、決定木だと僕は思います。決定木は、明確なルールと条件に基づいてデータを分類するため、プロダクションルール(IF-THENルール)として表現するのが自然です。知識に基づいたシンプルなモデルなので題意を満たしていると思います。

2012・2013年 キーワード・記述式

院内がん登録:これは、特定の病院内で診断・治療されるがんの患者の情報をシステム化して収集、保存、管理する活動です。これにより、がん治療の品質向上や研究、予防活動に役立てることができます。院内がん登録されたデータは都道府県の地域がん登録と国立がん研究センターでの統計・研究に用いられます

幾何平均: 幾何平均は、n個の正の数値の積のn乗根として定義されます。具体的には、n個の数値x1, x2, …, xnについて、幾何平均Gは以下のように求めます: G = (x1 * x2 * … * xn)^(1/n)

X-Y plot:普通の二次元平均?

コクランレビュー:Cochrane Reviewsは、特定の健康ケアの介入の効果について、既存の全ての高品質な研究結果を包括的に調査、評価し、結論を提供するレビュー(総説)です。これは、エビデンスに基づく医療決定を行うための重要な情報源とされています。コクランはイギリスの国民保健サービスが始めた活動で、全世界に広がっています。システマティックレビューを確立したのもコクランです。

メタアナリシスとシステマティックレビューの違い:両者は既存の研究を統合する手法ですが、簡単に言うとシステマティックレビューは質的に複数の研究をまとめ、メタアナリシスは量的に統計的手法を用いて複数の研究結果をまとめます。

パークソンバイアス:Parkinson’s biasは、臨床研究でしばしば見られるバイアスの一つで、標本抽出にバイアスがかかる事で見せかけの相関が起きてしまう例を提示した。才能と魅力の見せかけの負の相関は良い例。

Healthy People 2020: 米国政府が設定した10年ごとの国民の健康目標です。多くの健康指標を含み、全国的な健康改善のための方向性を示しています。予防可能な病気、障害、怪我、早死のない、質の高い長寿を実現します。

障害者自立支援法:障害者の地域生活と就労を進め、自立を支援する観点から、障害者基本法の基本的理念にのっとり、これまで障害種別ごとに異なる法律に基づいて自立支援の観点から提供されてきた福祉サービス、公費負担医療等について、共通の制度の下で一元的に提供する仕組みを創設することとし、自立支援給付の対象者、内容、手続き等、地域生活支援事業、サービスの整備のための計画の作成、費用の負担等を定めるとともに、精神保健福祉法等の関係法律について所要の改正を行っています。

病別外来受診率ランキング:2020年は循環器、消化器、内分泌です。

看護師の守秘義務の根拠となる法律: 日本では、看護師法により看護師に対する守秘義務が定められています。介護士は介護士法です。

ゲノムコホート情報システム: これは、大規模な集団(コホート)の遺伝情報(ゲノム情報)を統合、管理するための情報システムです。複数のコホート研究が動いています。

GWAS: Genome-Wide Association Studyの略で、ゲノム全体をほぼカバーするような、50万個以上の一塩基多型の遺伝子型を決定し、その頻度と、疾患や量的形質との関連を統計的に調べる方法論である。多くの疾患の新規疾患感受性遺伝子同定に貢献している。多くの複雑疾患のリスクのeffect sizeは小さく、概してオッズ比1.2以下であることが判明した。しかし、Visscherらのreviewにまとめられているように、疾患によっては、生物学的知見も蓄積され、疾患に至る主要なパスウェイが同定されるなど、一つの有望なツール。

一様分布する独立なX,Yがあった時、X+Yはどのような分布に従うか:

独立な二つの一様分布の確率変数 X と Y の和(X + Y)は、三角分布(あるいは台形分布)に従います。これは、畳み込みの結果として生じます。

畳み込みとは、一つの関数と別の関数がどのように”合わさる”かを表す演算で、確率変数の和の分布を求めるために使われます。具体的には、二つの独立な確率変数 X と Y の確率密度関数 f(x) と g(y) があるとき、X + Y の確率密度関数 h(z) は以下のように表されます:h(z) = ∫ f(x)g(z – x) dx

一様分布の場合、その確率密度関数は一定です。したがって、二つの一様分布の確率変数の和の確率密度関数を計算すると、それは三角形(または台形)の形状をした分布になります。これは、畳み込みの結果として一様分布が”滑らか”に重ね合わさり、その結果として中央の値が最も確率的に高くなるからです。XとYが同じ範囲の一様分布に従う場合、X+Yは三角分布に従いますが、XとYが異なる範囲の一様分布に従うとき、X+Yは台形分布に従うことがあります。

つまり、独立に同じ一様分布に従うという記載ではないので3の台形も正解になりそうです。

最小二乗回帰直線:これは回帰分析の一つで、実測値と予測値の間の差(残差)の二乗和を最小にする直線を求める方法です。一般に y = ax + b の形の直線式を求めます。

T検定の公式:T検定は平均値の差を検定するための方法です。一般的なt統計量の計算式は次の通りです。 t = (M1 – M2) / sqrt[(SD1^2/n1) + (SD2^2/n2)]。ここで、M1とM2はそれぞれの群の平均、SD1とSD2はそれぞれの群の標準偏差、n1とn2はそれぞれの群のデータ数を表します。以下の条件を基とします。

・2群のデータは対応していない(対応のないデータ)

・2つの母集団は正規分布に従っている(母集団の正規性)

・2群の分散が等しい(分散の均一性)

4.健康教育

バンデューラの社会的認知理論と自己効力感:

一次予防として、運動

成功体験:成功体験を提供するために、初めは簡単な運動から始め、少しずつ難易度を上げていくことができます。達成感を感じることで自己効力感が高まります。

代理的体験:他人が運動を行って健康状態が改善した様子を見せることで、個人が自分でも達成できると感じ、自己効力感を高めることができます。これは、ビデオや写真、実際の体験談などを通じて示すことができます。

言語的説得:専門家や医師が個人に対して運動の利点や重要性を強調し、励ましを提供することで自己効力感を高めることができます。

5.精神保健

国際生活機能分類ICFとWHO国際障害分類の異なる点ICIDH:

ICFはICIDHの改訂版として1993年から作成された。ICIDHは疾病の問題だけでなく、機能・形態障害、能力障害、社会的不利の3つの階層構造を打ち出したことが画期的であった。しかしICIDHには次のような問題点もあり、これらはICFでは解決された。

・疾患の帰結(結果)に関する分類 生活・人生の問題点を取り上げたのはよかったが、それを疾患(病気)の結果としてしかみなかった。

・マイナス中心  ICIDHはマイナス面だけを見ていた。

・環境が考慮されていない 障害の発生には、病気だけでなく、環境的な因子が大きく影響するが、それを考慮していなかった。

・社会的不利の分類が不備 社会的不利の実際の分類項目は僅か7項目(他の機能・形態障害、能力障害の分類はいずれも200以上)と、非常に不備であった。

ICFは、図のように健康状態、心身機能、身体構造、活動と参加、環境因子、個人因子から構成され、複雑に絡み合うように人の生活機能と障害を捉えている。

精神疾患を持つ人の機能障害および活動制限・参加制約の例:例えば、社会的不安障害を持つ人は、新しい人々や状況に遭遇すると過度の不安を感じるため、社会的な状況や人間関係を避ける傾向があります。これは仕事や学校、他の社会的な活動に参加するのを困難にします。

精神疾患を持つ人の社会復帰が困難な理由:精神疾患の影響は、慢性的な物理的疾患と比較して社会的な活動に直接的な影響を及ぼす傾向があります。それは、対人関係、社会的スキル、集中力、情緒のコントロールなど、日常生活や仕事で必要とされる機能に大きな障害を引き起こす可能性があるからです。

精神疾患を持つ人の活動制限・参加制約を軽減する環境因子:社会的支援は、精神疾患を持つ人々の活動制限や参加制約を軽減する重要な環境因子です。友人や家族、専門家からの支援は、個人が挑戦や困難に対処するためのリソースを提供します。これは、自己効力感を高め、社会的な障害を克服する手助けをします。

6.医療倫理

間接的安楽死:この用語は、死を直接に引き起こす意図はないが、痛みや苦しみを軽減するための医療行為(たとえば、鎮痛薬の大量投与)が、患者の死を早める結果となる状況を指します。倫理的には、意図と結果の間の差異が重要な要素となります。

臨床研究に関する倫理指針:これらは、人間を対象とした研究が倫理的に適切に行われることを確保するための指針です。代表的なものにヘルシンキ宣言があります。主な原則として、自由に与えられた同意、リスクと利益のバランス、公正な被験者の選定などが挙げられます。

自然法論:これは、道徳や倫理の原則が自然な理性や人間の本性に由来するとする理論です。医療倫理においては、生命の尊厳や自己決定権といった原則がしばしば自然法論に基づいています。

出生前診断:これは、胎児が遺伝病や先天性障害を持っているかどうかを調べる診断方法です。医療倫理においては、出生前診断の結果をもとに終了するかどうかを決定する際の倫理的問題がしばしば議論の対象となります。

弱いパターナリズム:これは医師が患者の最善の利益を追求するというパターナリスティックな態度の一形態です。判断力の低下した患者などに対して主導的に医療を行う消極的なパターナリズムです。弱いパターナリズムを容認する場合でも、「個人の十分な判断能力、自己決定能力」の範囲をどのように見極めるのかといった点で、慎重な検討が必要となります。

2014年 キーワード

  1. 生態学的研究: 生態学は、生物の分布、その数、およびこれらの生物が自然環境または他の生物とどのように相互作用するかについての研究です。
  2. 系統的レビュー: 系統的レビューは、特定の問いに対する既存の研究を包括的に収集し、評価し、合成する科学的手法です。
  3. 国勢調査: 国勢調査は、国や地域の全住民に対する調査で、人口、住宅、雇用などの統計情報を提供します。
  4. 全国消費調査: これは一般的に家庭や個人の消費行動と支出パターンに関するデータを収集する調査です。
  5. 国民生活基礎調査: 国民生活基礎調査は、家庭の経済状況、生活習慣、福祉ニーズなど、国民生活全般に関する統計データを収集します。
  6. 就業構造基本調査: この調査は、労働者の雇用状況、職業、産業などについて詳細な情報を提供します。
  7. 人口動態統計職業・産業別統計: これは、特定の職業や産業の人口変動を追跡するための統計データです。
  8. フレーミング効果: 情報の提示方法が人々の意思決定に影響を与える心理学的現象。
  9. Prochaskaらの変化ステージモデル: これは行動変容の過程を5つの段階(無関心、関心、準備、行動、維持)で示す理論です。
  10. 寄与リスク: ある疾病や結果に対する特定のリスク要因の影響の程度を示します。
  11. 功利主義: 最大多数の最大幸福を追求する哲学的原則。幸福主義、帰結主義、総和主義の3つが構成要素。ベンサムが提唱。ミルはそれを修正した質的功利説を主張、快楽には質的な違い、幸福寮には差があるとした。これと異なる立場として義務論、徳倫理学がある。
  12. 最大多数の最大幸福: 功利主義の中心的な概念で、行動は最大数の人々に最大の幸福をもたらすことを目指すべきだとします。
  13. 定言命法: カントの道徳哲学の中心的な概念で、道徳的な行動は無条件に、すべての状況で必要だと主張します。
  14. 帰結主義: 倫理学の立場で、行為の道徳的価値はその結果によって決まると主張します。
  15. 完全義務: カントの道徳哲学の概念で、道徳的な行動が条件付きではなく、絶対的な義務であるとするもの。
  16. エマニュエルの提唱した医師・患者関係モデル: 医療倫理の分野で、医師と患者の関係を理解し説明するためのモデル。家父長、解釈、協議、情報提供の4モデルがある。
  17. ICF分類: 国際機能、障害、健康分類。健康と障害についての情報を国際的に比較可能な形式で提供します。
  18. ICD-O国際腫瘍分類とがん登録の関係: ICD-Oはがんの国際的な分類法で、がん登録はそれを用いてがん症例を追跡・分析します。
  19. 地域がん登録: 地域がん登録は、特定の地域でのがんの発生と経過を追跡するシステム。
  20. 症候群サーベイランスシステム: 症候群サーベイランスは、公衆衛生に影響を及ぼす可能性のある病状の早期警戒システムです。救急搬送や、OTC医薬品売上、学校欠席者、インターネット検索数など様々なサーベイランスの方法が考えられています。
  21. Optical scanning: 光学的な方法を用いて物理的な情報をデジタルデータに変換するプロセス。
  22. 健康信念モデル: ヘルスビリーフモデル。人々の健康行動を説明するための心理学的モデル。このモデルは個人の知識、感じる脅威、期待される結果などが健康行動に影響を与えると主張します。
  23. 包括同意: 包括的同意とは、事前に全般的な同意を得ることで、特定の研究についての詳細な同意を求める必要を減らすことを指します。厚生労働省の2021年の倫理指針により病院がホームページなどで臨床研究に関するオプトアウトをすることで簡易的な包括同意を得る事が出来るようになっている。ただし、マーケティングなどではオプトインは同意の表明、オプトアウトは不同意の表明となり、意味合いが異なるので注意。
  24. 一応の(一見自明な)義務: ロスの提唱した概念。ある行為が他人に対して善意をもって行われるべきではあっても、それは本来の義務ではないとされるもの。
  25. 善行原則: 倫理学の原則で、ある行為が他人に対して善意をもって行われるべきだと主張します。
  26. 行政解剖: 死体解剖保存法に基づいて主に監察医が行う解剖のこと。主に死因の判明しない異状死体に対して行われる。犯罪性が疑われた場合は司法解剖となる。前者は死体解剖保存法8条、後者は刑事訴訟法が根拠となる。
  27. Uniform Resource Locater (URL): インターネット上の特定の場所(ウェブページなど)へのアドレス。
  28. Health Level 7 version 2 (HL7 v2): 医療業界で広く使われる、患者データの電子交換を可能にする標準プロトコル。
  29. 情報セキュリティの三要素である機密性・完全性・可用性: 情報セキュリティはデータの機密性(誤った人にアクセスされない)、完全性(改ざんされない)、そして可用性(必要なときに利用可能)を保証することを目指します。
  30. Diagnosis Procedure Combination (DPC): 病院の診療内容と手続きをコード化したもので、診断情報と治療プロセスを連結させる役割を果たします。
  31. IPv4アドレス: インターネットプロトコルバージョン4 (IPv4) のアドレスは、インターネット上の各デバイスを一意に識別するために使用されます。

2015年 記述式

4.

Precede-Proceedモデルは、公衆衛生プログラムの計画、実施、評価のためのフレームワークを提供するものです。Precede(Predisposing, Reinforcing, and Enabling Constructs in Educational/Ecological Diagnosis and Evaluation)とProceed(Policy, Regulatory, and Organizational Constructs in Educational and Environmental Development)の2つのフェーズから成り立っています。

  1. 上記3つの各カテゴリーの概念の説明:
    • 準備要因 (Predisposing factors): 準備要因は、個人や集団が特定の健康行動を採用するための動機や理由を提供します。これには知識、信念、価値観、態度、自己効力感などが含まれます。
    • 実現要因 (Enabling factors): 実現要因は、健康行動の採用や維持を可能にする、または妨げる要因です。これには、利用可能な資源、健康サービスへのアクセス、新しいスキルや情報の獲得のための機会などが含まれます。
    • 強化要因 (Reinforcing factors): 強化要因は、行動を強化するための後からの要因として機能します。友人や家族、専門家、ピアリーダーからのフィードバックや報酬、社会的サポートなどがこれに該当します。
  2. 行動に影響を及ぼす優先度の高い要因を選択する際に用いられる評価基準:
    • 変更可能性 (Changeability): 要因がどれだけ簡単に変更または調整できるかを評価します。変更が容易である要因は、介入の対象として選択される可能性が高くなります。
    • 影響の大きさ (Impact): 要因が目的の健康行動や結果にどれだけの影響を及ぼすかを評価します。大きな影響を持つ要因は、介入の対象として優先される可能性があります。

これらの基準は、特定の健康プログラムの計画段階で、どの要因が最も影響力があり、変更が可能であるかを判断するために使用されます。

5.

  1. 異なる2つの心の健康の定義の類似点および相違点:類似点:
    • 両方の定義は、健康が単に疾患や障害の不在を意味するものではなく、より包括的な「ウェルビーイング」または「よい状態」を意味することを強調しています。
    • 社会的側面やコミュニティへの貢献が健康の一部として考慮されています。
    相違点:
    • Aの定義は全体的な健康に関するものであり、心の健康だけでなく身体的および社会的健康もカバーしています。一方、Bの定義は心の健康に特化しています。
    • Bの定義は、個人の潜在能力の実現、日常のストレスとの対処、生産的な労働、コミュニティへの貢献など、心の健康の具体的な側面を詳述しています。
  2. WHOの役割における心の健康の定義の利点と欠点:利点:
    • これらの定義は包括的であり、健康を多面的に捉えることを強調しているため、各国や組織が心の健康を促進する取り組みを行う際のガイドラインとして役立ちます。
    • Bの定義は具体的な側面を挙げているため、心の健康を具体的な指標やアクションで評価・実践する際の指針となります。
    欠点:
    • これらの定義があまりにも包括的すぎるため、具体的な対策や評価指標をどのように設定すればよいかが曖昧になる可能性があります。
  3. 精神障害を持つ人にとっての心の健康の定義の意味:
    • これらの定義は、健康が単に疾患や障害の不在を意味するものではないと強調しています。このことから、精神障害を持つ人でも、その他の健康の側面で「ウェルビーイング」を追求することが可能であり、そのような追求が重要であることを示しています。
  4. “No health without mental health”の意味:
    • このフレーズは、心の健康が全体的な健康の不可欠な部分であるという考えを強調しています。心の健康が乱れると、身体的健康や日常生活の質にも影響を及ぼす可能性があります。逆に、身体的健康が乱れると、心の健康にも影響を及ぼす可能性があります。このため、真の健康を追求するためには、心の健康を無視することはできないという考えを示しています。

6.

1.定言命法 (Categorical Imperative):

  • 定言命法は、ドイツの哲学者イマヌエル・カントによって提唱された倫理的原則です。行為が道徳的に正当化されるためには、その行為の原則が普遍的な法則として適用可能でなければならないとする考え方です。医療の文脈では、患者に対する治療やケアの方針が全ての患者に公平に適用されるべきであるとの考えに繋がります。

2.規則功利主義 (Rule Utilitarianism):

  • 功利主義は最も多くの人々に最も大きな幸福をもたらす行為や決定が道徳的に正しいと考える倫理理論です。規則功利主義は、最も多くの人々に最も大きな幸福をもたらす一般的な規則や原則に従うべきであると主張します。医療の場面では、一般的な医療ガイドラインや方針が最も多くの患者の利益のためになると考え、それに従うべきだとの立場をとることができます。

3.消極的安楽死 (Passive Euthanasia):

  • 消極的安楽死は、治療の中止や開始を避けることによって、自然に死を迎えることを許容する行為を指します。医療倫理の文脈では、患者の自己決定権や生命の質といった観点から議論されることが多い。消極的安楽死は、特定の文化や宗教的背景、法的規制によって異なる見解が存在します。

4.ブレインマシンインターフェイス (Brain-Machine Interface):

  • ブレインマシンインターフェイスは、脳と機械やコンピュータとの間の直接的な通信を可能にする技術を指します。医療倫理の文脈では、この技術がプライバシーや自己決定権、身体の完全性に関してどのような影響を持つのか、また技術の使用が患者の福祉にどのように影響するのかなど、多くの問題が提起されます。

5.リバタリアニズム (Libertarianism):

  • リバタリアニズムは、個人の自由と財産権を最も高く尊重する政治哲学や倫理学的立場です。医療の文脈では、治療の選択、医療情報のプライバシー、医療介入に対する同意など、患者の自己決定権をどの程度尊重すべきかという議論に関連してくることが多いです。

2016年

(5)

  1. 社会的ひきこもり: 社会的ひきこもりは、主に就学や就労などの社会的な活動から引きこもり、家外に出ない状態を持続する若者を指す言葉です。持続期間や理由は多様で、社交的な不安や学校・職場のトラブル、精神的な問題などが背景にあることが多い。
  2. 選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI): SSRIは抗うつ薬の一種で、セロトニンという神経伝達物質の再取り込みを阻害し、脳内のセロトニンの濃度を高めることで、うつ症状を緩和させる効果があります。
  3. ドメスティックバイオレンス (DV): DVは、主に家庭内で起こる身体的、性的、心理的、経済的な暴力や虐待のことを指します。加害者と被害者が家庭や恋人同士などの関係にある場合が多く、これに関連した法律やサポートが各国で整備されている。
  4. 心的外傷後ストレス障害 (PTSD): PTSDは、過去のトラウマ体験後に発症する精神的な障害の一つです。フラッシュバックや過度な警戒、不眠などの症状が特徴的で、長期にわたるサポートや治療が必要となることが多い。
  5. 従業員支援プログラム (EAP): EAPは、従業員やその家族の心の健康や生活の問題、職場の問題などに対するカウンセリングやサポートを提供するためのプログラムやサービスのことを指します。EAPは、従業員の健康と生産性の維持・向上を目的として導入されることが多い。

(6)

  1. ヘアの二層理論: R.M.ヘアは倫理的判断のための「二層理論」を提唱しました。この理論において、倫理は「批判的思考」と「直感的思考」の二つのレベルで行われるとされます。日常的な直感的な判断は通常の医療現場での意思決定に、批判的思考は複雑な倫理的ジレンマや原則の確認に使用されます。
  2. 積極的安楽死: 積極的安楽死は、患者の苦痛や苦しみを和らげるために、医師が能動的な措置(例:薬物の投与)をとることで、患者の命を終わらせる行為を指します。多くの国では違法とされているが、患者の自己決定権や生命の質の観点から議論が続いています。
  3. 物語倫理: 物語倫理は、患者や医療従事者の体験や物語を中心として倫理的議論を行うアプローチを指します。物語を通じて、個々の状況や背景を理解し、より豊かな倫理的洞察を得ることが目指されています。
  4. 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針: これは、人々を対象とした医学的研究に関して、倫理的な基準や実践ガイドラインを定めたものです。これには、 informed consent(インフォームド・コンセント)、リスクの最小化、透明性、患者の権利の尊重などの原則が含まれています。
  5. QALY(Quality-Adjusted Life Year): QALYは、「質の調整された生存年数」として翻訳されることが多く、医療介入の効果を評価するための指標の一つです。これは、生存年数と生活の質を一つの数値に統合することで、異なる医療介入の効果を比較可能にするものです。医療資源の配分の際の選択基準として使用されることもあり、その公平性や妥当性に関する倫理的議論の対象となっています。

2017年 キーワード

39 機械学習用語解説

  1. 主成分分析 (PCA):主成分分析は、変数間の相関関係を見つけ出すための統計的手法です。これにより、データの次元(特徴)を削減し、データの構造を可視化しやすくすることができます。主成分分析は教師なし学習に分類されます。
  2. 単純ベイズ分類器 (Naive Bayes Classifier):これはベイズの定理に基づいて作られた分類アルゴリズムで、特徴間の強い独立性を仮定しています。この分類器は、テキスト分類やスパム検出などによく使われます。単純ベイズ分類器は教師あり学習に分類されます。
  3. 決定木 (Decision Tree):決定木は分類や回帰タスクに使われるモデルで、樹木のような構造を持っています。根ノードから始まり、内部ノードで特徴に基づいた判断をし、それぞれの葉ノードがクラスラベル(分類)または数値(回帰)を表します。決定木は教師あり学習に分類されます。
  4. サポートベクトルマシーン (SVM):SVMは、データを高次元空間にマッピングし、そこで最適な分離超平面を見つけることで二項分類を行う強力なモデルです。多クラス分類にも拡張でき、非線形問題に対処するためにカーネルトリックを使うことができます。SVMは教師あり学習に分類されます。
  5. クラスタリング:クラスタリングは、データを自然なグループまたはクラスタに分けるタスクです。同一クラスタ内のデータは互いに似ていて、異なるクラスタのデータは異なるという原則に基づいています。よく知られたクラスタリングアルゴリズムには、K-meansや階層的クラスタリングなどがあります。クラスタリングは教師なし学習に分類されます。

59. 検定

第二種過誤(Type II error)とは、帰無仮説が誤っているにもかかわらず、それを受け入れてしまうときに発生する誤りです。具体的には、実際には効果があるにも関わらず、効果がないと結論付けるケースを指します。第二種過誤の確率はβ(ベータ)で表されます。

第二種過誤確率は、以下の要素によって影響を受けます:

  1. 標本サイズ:標本サイズが大きいほど、第二種過誤の確率は小さくなります。これは、標本サイズが大きいと、帰無仮説が誤っている場合にそれを検出する力(検出力またはパワー)が増すためです。
  2. 効果の大きさ:効果が大きいほど、その効果を見つけ出すことが容易になります。したがって、効果が大きいほど第二種過誤の確率は小さくなります。
  3. 有意水準:有意水準を厳しく設定すると(つまりp値の閾値を小さくすると)、第二種過誤の確率は増えます。これは、厳しい有意水準が第一種過誤(帰無仮説が正しいのに、それを誤って棄却する誤り)を防ぐことに重きを置き、結果として第二種過誤を犯しやすくなるためです。

これらの要素は、統計的検定の設計段階で考慮され、適切なバランスを見つけることが求められます。

2018年

(6)

  1. 徳倫理: 徳倫理は、行動や選択の正しさや間違いを判断する際に、人の性質や特性(徳)に焦点を当てる倫理の一分野です。この観点からは、「何をすべきか」よりも「どのような人間であるべきか」が中心的な問題とされます。
  2. 人間の尊厳: 人間の尊厳は、すべての人が持つ固有の価値や尊重されるべき性質を指します。医療倫理においては、患者の尊厳を尊重することが重要な原則とされ、不必要な侵襲やプライバシーの侵害などを避けるための基盤となっています。
  3. 医学研究における侵襲と介入: 医学研究における侵襲は、参加者の身体やプライバシーに対する干渉を意味し、介入は特定の治療や手続きを施すことを指します。倫理的には、参加者の同意が前提とされ、侵襲や介入の度合いによって同意取得の方法や内容が変わることがあります。
  4. ゲノム編集: ゲノム編集は、特定の遺伝子の配列を意図的に変更する技術を指します。医療倫理の観点では、この技術の使用が個人や社会に及ぼす影響、特に遺伝子変更が次世代に伝わる可能性などの問題が議論されています。
  5. ヒューマンエンハンスメント: ヒューマンエンハンスメントは、通常の健康維持や治療の目的を超えて、人間の能力や機能を向上させる技術や手法を指します。倫理的な問題として、平等性、公正性、自然の価値などが議論されることが多いです。

(7) 2014年6月に成立した医療法の改正による医療事故調査制度の目的は、医療事故の再発防止を目的としています。対象となる医療事故とは、医療に起因する、予測できない死亡や死産などです。(あくまでも死亡例であり、重大な後遺症などは院内の事故調査になります)

(9)

  1. WHOの疾病分類統計比較: 標準化された疾病コード(例: ICDコード)の導入により、各国間での疾病や死亡統計の比較が可能となる。これにより、疾病の発症トレンドや公衆衛生施策の効果を国際的に比較・評価することが容易となる。
  2. 大規模災害時の診療情報参照: 標準化された電子健康記録(EHR)フォーマットの採用により、異なる施設やシステム間でも診療情報の共有・参照が可能となる。これにより、災害時に他の施設からでも患者の診療履歴を迅速に参照し、適切な医療を提供することができる。
  3. PACSのリプレースとデータ移行コスト: 標準化された医用画像フォーマット(例: DICOM)の採用により、異なるPACS間でも画像データの移行がスムーズに行える。これにより、データの互換性問題や変換作業のコストを大幅に削減できる。

2019年

(6)
義務論
:

  • 義務論は、行動の正しさや誤りは行動そのものの性質に基づいていると考える倫理的立場です。この立場では、結果よりも行動の動機や行為そのものの性質を重視します。医療倫理において、義務論的アプローチは医師が患者の最善の利益を追求すること、信頼関係を尊重することなどの義務を果たす重要性を強調します。

アドバンス・ケア・プランニング:

  • アドバンス・ケア・プランニングは、個人が将来の健康状態や医療状況について、事前に意向や願望を明らかにするプロセスを指します。このプロセスは、終末期のケアや緊急時の治療選択など、患者が自分の意志を伝えることが難しい状況に備えて、事前に意向を共有・文書化することを目的としています。医療倫理の観点からは、患者の自律性を尊重し、適切な情報提供と意思決定をサポートするための重要なツールとなっています。

子宮移植:

  • 子宮移植は、子宮を持たない、または機能不全の子宮を持つ女性に、ドナーからの子宮を移植する医療処置です。これにより、受取人は妊娠・出産の可能性が生まれます。医療倫理の観点からは、子宮移植のリスクと利益、ドナーの選定基準、患者の適切な情報提供や同意取得など、多くの課題があります。

臨床研究法:

  • 臨床研究法は、人間を対象とした医療関連の研究を実施する際の方法論や原則に関する学問領域です。医療倫理の観点からは、研究の被験者の権利の保護、情報提供、同意取得、プライバシーの確保、リスクと利益のバランスなどが重要なテーマとなります。

患者の権利に関するWMAリスボン宣言:

  • 世界医師会(WMA)によって採択された「患者の権利に関するリスボン宣言」は、患者の権利と医師の義務に関する基本的な原則を定めています。この宣言は、患者の自律性、尊厳、プライバシー、情報提供や同意取得の権利などを強調し、医療の質の向上と患者中心のケアの推進を目的としています。

(7)

医療過誤が発生した場合、医師に問われうる民法上の責任として以下の二つが挙げられます:

  1. 契約上の責任
    • これは、医師と患者間の治療契約(診療を受けることと、それに対する報酬の支払いを行うことの間の黙示的な契約)に基づくものです。医師が約束した治療の結果を得られなかった場合や、適切な診療を行わなかった場合、医師は契約違反としての責任を問われる可能性があります。
  2. 不法行為による責任
    • 患者に対して過失(例:適切な診断を怠った、間違った治療を施した等)によって損害を与えた場合、医師は不法行為に基づく損害賠償責任を負うことになります。この場合、過失の有無や損害の程度、因果関係などが評価されることとなります。

2020年

(6)

  1. 功利主義
    • 功利主義は、行為の倫理的価値をその行為の結果(特に幸福や有益性)に基づいて評価する哲学的理論です。最も良い行為は最大数の人々に最大の幸福をもたらすものとされます。医療倫理の文脈では、たとえば、医療資源が限られている場面での分配を考える際に、どのようにして最大の有益性を達成するかという観点から取り上げられることがあります。
  2. 二重結果の原理
    • この原理は、ある行為が善い結果と悪い結果をもたらす可能性がある場合に関連するものです。意図的に善い結果を追求する行為が、予期せず悪い結果をもたらす場合でも、善い結果が悪い結果を上回る限り、その行為は許容されるとされます。医療の文脈では、例えば、緩和ケアでの強い鎮痛剤の使用が考えられます。
  3. 動物性集合胚
    • 動物性集合胚は、動物の胚細胞に人の細胞(iPS細胞やES細胞など)を注入したもののことを指します。この技術は、特定の疾患の研究や治療の進展を促進する可能性がある一方で、生命の起源や人権、動物の権利に関連する倫理的問題を引き起こす可能性があります。
  4. ロールズの正義論における格差原理
    • ジョン・ロールズの正義論のうち、「無知のヴェール」のうちの1原則です(その他には基本的自由の原則、機会均等の原則)。格差原理は、競争で生まれた格差が最も不利な立場にある者たちの利益となる場合にのみ、その格差を正当化するという原理です。医療の文脈では、医療資源の分配や医療へのアクセスの平等性に関連する議論で参照されることがあります。
  5. ヒポクラテスの誓い
    • ヒポクラテスの誓いは、古代ギリシャの医師ヒポクラテスに帰せられる医師の宣誓文です。この誓いは、患者の福祉を最優先し、医療の秘密を守り、自らの能力と判断を超える行為を避けることなどを誓います。現代の医療倫理においても、医師の専門性、信頼性、そして患者中心のケアの基盤として、この誓いの精神が引き継がれています。

(9)

  1. 教師あり機械学習: 教師あり機械学習は、既知の入力とそれに対応する出力のデータセットを用いてモデルを学習させる方法です。医療の文脈では、患者のデータを使用して疾患の診断や予後予測を行うために用いられます。
  2. 自然言語処理: 自然言語処理(NLP)は、コンピュータが自然言語のテキストを理解・生成する技術です。医療記録や研究論文の解析に利用され、情報抽出や意味解析を可能にします。
  3. 個人情報保護法における要配慮個人情報: 要配慮個人情報は、人の権利利益を侵害する可能性が高い情報を指します。医療情報学では、患者の疾患や治療情報といったデータがこれに該当し、厳格な管理や取り扱いが求められます。
  4. オンライン診療: オンライン診療は、インターネットを介した遠隔地からの医療サービス提供です。ビデオ通話やチャット機能を使用し、患者と医師がリアルタイムでコミュニケーションを取ることが可能です。漏えい等セキュリティの問題や、個人認証の点でも問題となります。

2023年


(6)

  1. コミュニタリアニズム
    定義: 個人の権利や自由よりも共同体や社会全体の価値や利益を重視する思想や哲学。
    説明: 医療倫理において、個人中心のアプローチと対立する場合があり、例えば公衆の健康のためのワクチン接種のような状況で重視される。
  2. 治療との誤解
    定義: 研究参加者が、彼らが受け取る治療が研究の一部であることを理解していない状況。
    説明: これは informed consent を得る際の主要な障害となり、正確な情報を提供し理解を確認することが不可欠である。
  3. 医療AI
    定義: 医療の文脈での診断、治療、患者管理などに人工知能を利用した技術。
    説明: 医療倫理の観点では、正確性、プライバシー、決定の透明性などの問題が関与する。
  4. 感染症における隔離
    定義: 感染リスクがある個人を他の人々から物理的に分離する行動。
    説明: 公共の健康を保護するための措置だが、個人の自由や権利とのバランスを取る必要がある。ハンセン病と結核の違いなども言及できるポイントである。
  5. ワクチン配分
    定義: 有限なワクチン供給をどのように配布するかの決定過程。
    説明: 医療倫理の観点からは、公正性、利益最大化、優先順位設定などの考慮が必要である。

(7)
Child Death Review は、子供の死亡原因を詳細に調査し、予防策の提案や実施を目的としたプロセスです。日本においては、子どもの死亡事例を再検討するための制度の整備が進行中で、特定の死因や背景を持つ子どもの死亡事例についての検討が進められています。
根拠となる法律は成育基本法、死因究明等推進基本法で、現在は都道府県予防のための子どもの死亡検証(Child Death Review)体制整備モデル事業が進行中です。

(9)
病院の規模による電子カルテシステムの導入率の違いの原因:

  1. 費用: 大病院は資金を持っており、導入の初期費用や維持費用を支払う能力がある。
  2. ITの専門家: 大病院は、システムの導入や管理のための専門家を雇う能力がある。
  3. 運用の複雑さ: 小病院は単純な運用で済む場合が多いため、電子カルテの必要性を感じにくい。
  4. 変更への抵抗: 小規模病院では変更への抵抗感や文化的な要因が、新技術の導入の障壁となることがある。
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