ステロイドへの警鐘

one airway one disease ステロイドへの警鐘

one airway one diseaseと言われる、喘息、副鼻腔炎、アトピー性皮膚炎
その治療の根幹であり、最終兵器であったステロイド
分子標的薬の登場で時代が変わりつつあります

one airway one diseaseについて、そしてそれに対するステロイドの位置付けについて、各学会等の推奨をまとめたものがサノフィの資料にありましたので共有します
学会名、略称は以下になります

日本アレルギー学会「喘息予防・管理ガイドライン」(JGL)
Global Initiative for Asthma(GINA)
European Position Paper on Rhinosinusitis and Nasal Polyps (EPOS)
European Forum for Research and Education in Allergy and Airway Diseases( EUFOREA)
International consensus statement on allergy and rhinology: rhinosinusitis (ICAR:RS)
European Academy of Allergy and Clinical Immunology(EAACI)

one airway管理に関する国内外の推奨

JGL
・成人発症喘息における好酸球性副鼻腔炎の合併は増悪リスクを高める。
・アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の治療は喘息増悪による入院や予約外受診を減らす。
・鼻茸を伴う副鼻腔炎に対する手術療法は、メタ解析にて呼吸機能は有意に改善しないが、喘息症状とQOLは有意に改善すると報告(エビデンスレベルA)

GINA
・喘息の増悪で改善可能な因子として、肥満、慢性副鼻腔炎、GERD、特定された食物アレルギー、妊娠

EPOS
・CRSと喘息、COPD、NSAID-ERDの間に関連があるため、下気道疾患の管理のためにCRSへの対応を推奨

ICAR:RS & EUFOREA
・最適な上気道管理のためにCRSwNPに併存する喘息を特定することが重要

全身性ステロイドのリスクに対する提唱
JGL
・経口ステロイド薬は様々な全身性副作用を伴うため、短期間の間欠的な投与を原則として、可能な限り連用を回避する。

GINA
・重篤な長期副作用リスクが有るため、維持療法としての経口ステロイド薬は、年齢を問わず他の治療法が最適化され、代替手段がない場合の最後の手段としてのみ検討されるべきである

EPOS
・全身性ステロイドは重大な副作用がある

EUFOREA
・全身性ステロイドの反復使用の副作用は懸念すべきである

EAACI
・重度の症状を有する患者を除いて、長期的な治療メリットよりも全身性ステロイドの有害事象を考慮すべきである

全身性ステロイドの有効性に関する記載
JGL
・副腎皮質ステロイドは現在の喘息治療における最も効果的な抗炎症薬である

GINA
・経口ステロイド薬は、特に患者が悪化している場合、または来院前にすでに増悪治療薬や長期管理薬を増量していた場合には、速やかに投与する必要がある

EPOS
・全身性ステロイドの短期使用は、CRSwNP患者の総症状スコアおよび鼻茸スコアを有意に減少させる

EUFOREA
・鼻茸の再発や全身性ステロイドが必要な場合は、疾患コントロール不良の基準となる(直接的な記載なし)

EAACI
・CRSwNPの患者は一般的に症状負担が大きく、QOLが低いため、しばしば経口ステロイド薬の再発時の使用や副鼻腔手術の繰り返しが必要とされる

高好酸球関連疾患はこれまでステロイドで管理されていました
今後は基本的には分子標的薬でコントロールされる時代が来そうですね
それだけ量にかかわらずステロイドの長期服用の有害事象の報告が相次いでいます
ステロイドの代替薬の出現は光明であるとともに、適応、長期予後について注視する必要がありそうです

やはり分子標的薬は高額です
それに対して古くから活躍しているステロイドは相当安価です
そしてステロイドの疾患に対する効能は揺るがないエビデンスがあります
少子高齢化の縮小社会の中では収入などの社会的背景に応じて治療薬を選択せねばならない時代がもうそこまで来ているのかもしれません

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