ホルネル症候群について Q&A

ホルネル症候群の疑問 医学
ホルネル症候群

ホルネル症候群は交感神経麻痺により起きる諸症状です
交感神経の経路はあまり目にすることがなく、6大症状として縮瞳(瞳孔不同)、対光反射の低下、眼瞼下垂、眼裂狭小、眼球陥凹、同側の顔面無発汗の丸暗記の言葉が独り歩きしています
自分も躓いた、それはなぜ?という疑問に答えるためのQ&Aを書きました

Q.なぜ眼瞼下垂が起こるか?
A.交感神経がミュラー筋(上眼瞼を牽引する筋肉)を支配しているため

Q.なぜ縮瞳するか?
A.交感神経が瞳孔散大筋を支配しているから
ちなみに動眼神経の中に相乗りしている副交感神経は瞳孔括約筋を支配しています

Q.動眼神経麻痺でも眼瞼下垂は起きるが、交感神経麻痺との鑑別方法は?
A.動眼神経により眼瞼下垂は起きますが、それぞれ瞳孔括約筋と瞳孔散大筋と相反する筋肉を支配しているため、散瞳、縮瞳の違いで動眼神経麻痺か、交感神経麻痺かが鑑別できます
ちなみに重症筋無力症も眼瞼下垂が特徴的ですが、瞳孔の左右差、サイズに異常がないことで鑑別できます

Q.なぜ眼裂狭小するか?
A.下眼瞼のミュラー筋が麻痺して(軽度)挙上するから
上眼瞼のミュラー筋による眼瞼下垂が有名ですが、下眼瞼にもミュラー筋は存在しています
ちなみに下眼瞼は随意的な筋肉がなく、下直筋の外側にある腱膜に相当する眼瞼腱膜(CPF: CapsuloPalpebral Fascia)を引いて下眼瞼を下方に開きます

Q.なぜ眼球陥凹するか?
A.人間は眼球陥凹せず、眼裂狭小により眼球陥凹しているように見える

Q.なぜ無発汗は内頚動脈解離による交感神経麻痺で起きないか?
A.発汗を担う交感神経繊維は頸部交感神経節において分岐し、外頸動脈に沿って上行するから

Q.目の交感神経はどこを通るか?
A.第三ニューロンで、頭蓋の海面静脈洞を経由して眼瞼に到達する

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