回帰分析と階層モデル

  1. 回帰分析の例
    • ロジスティック回帰分析
      • 主に二値アウトカム(成功/失敗など)を扱う。
      • エラー項はロジスティック分布を仮定。
    • プロビット回帰分析
      • 同じく二値アウトカムを扱うが、エラー項は正規分布を仮定。
    • 線形回帰分析
      • 連続したアウトカムをモデル化。
      • エラー項は通常正規分布を仮定。
    • ポアソン回帰分析
      • カウントデータ(例: 事象の発生回数)の分析に使用。
      • エラー項はポアソン分布を仮定。
  2. 階層的/多レベルモデルの例
    • マルチレベルモデル(階層線形モデル)
      • データが複数レベルの階層構造(例: 学生がクラスに属し、クラスが学校に属する)を持つ場合に使用。
    • 混合効果モデル
      • 固定効果とランダム効果の両方を含むモデル。
      • データ内の個体間で変動する効果(ランダム効果)と一貫した効果(固定効果)を扱う。


プロビット回帰分析

解説

プロビット回帰分析は、特に二値のアウトカム(例:発生/非発生)に対して用いられる手法です。ロジスティック回帰と同様に二値の結果を扱いますが、エラー項の分布が正規分布を仮定する点が異なります。

実際に使う状況

  • 二値のアウトカムを持つデータの分析
  • エラー項が正規分布に従うと考えられる場合

メリット

  • エラー項の正規分布の仮定に基づいているため、特定の状況でロジスティック回帰より適切
  • 確率的な解釈が可能

デメリット

  • ロジスティック回帰と比較して、計算が複雑になることがある
  • エラー項の正規分布の仮定が常に妥当ではない

マルチレベルモデル(階層線形モデル)

解説

マルチレベルモデルは、データが階層的な構造を持つ場合に適しています。例えば、病院ごとに患者のデータが異なるような状況です。このモデルは、個体レベルと群レベルの両方の変数を同時に考慮することができます。

実際に使う状況

  • 病院や学校など、グループごとにデータが異なる場合
  • 個体差とグループ差の両方を考慮した分析を行いたい場合

メリット

  • 階層構造を持つデータの分析に適している
  • 個体内および個体間の変動を同時にモデル化できる

デメリット

  • モデルが複雑であるため、解釈が難しい場合がある
  • データの構造に応じた適切なモデルの選択が必要
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